本講義について

概要

  • 科目名:社会科学における因果推論
  • 講師:宋財泫 (そん じぇひょん)
  • 所属:関西大学総合情報学部
  • 時間:水曜日3限(13:00〜14:30)
  • 教室:TD106

授業の内容

 本講義は、近年社会科学において関心が高まっている「因果推論」を行うための諸手段を理解・習得することを目的とする。最初に、最良の因果推論とも称される RCT(ランダム化比較試験)を説明し、RCTが不可能な際の手法としてマッチング、回帰不連続デザイン、差分の差分法、操作変数法などを紹介する。

評価

  • 平常点:70%
    • 授業への参加度、質問など
  • 期末課題:30%
    • 研究構想の発表、または提出

履修上の注意

 統計学に関する基礎知識が必要である。目安は母平均の差の検定、および線形回帰分析が理解でき、統計ソフトウェアで実行・解釈が可能なレベルである。

 本講義における共通言語はRである。Rの使い方に関しては既にインターネット上に膨大な情報がある。矢内(高知工科大学)が執筆中の以下の資料(無料で閲覧可能)を参照することも1つの選択肢である。

 統計学および定量的分析、Rの使い方については以下の書籍を講義開始日までに読んで おくことを強く推奨する。

 R スクリプト作成の際、{tidyverse}というパッケージを積極的に活用する。このパッケージには {dplyr}、{ggplot2}などのパッケージが含まれている。各パッケージの使い方を習得するには以下の教材を推奨する。

教科書・参考書

 以下は本書の内容を(一部)カバーする書籍の目録である。必ずしも購入する必要はないが、予習・復習において適宜参照することを推奨する。他にも宋が現在作成中のWeb資料(2026年度中に公開予定)も履修者限定で公開する。参考資料として使うこと

講義内容

  • 「XX月XX日にマッチングの内容について解説する」といった構成ではなく、トピック単位で進める。一つのトピックが数日にまたがることもあり得る。
  • 以下の内容は履修者の理解度や進捗状況に応じて変更される可能性がある。
トピック 内容
1 ガイダンス
2 因果推論の考え方
3 無作為化比較試験
4 Lab session(Rの復習)
5 回帰分析とマッチング
6 差分の差分法
7 回帰不連続デザイン
8 操作変数法