シラバス

概要

  • 科目名:方法論特殊講義III(プログラム講義計量政治学方法論Ⅰ)
  • 講師:そん財泫じぇひょん(ソン ジェヒョン)
  • 所属:関西大学総合情報学部
  • 時間:2024年8月26〜30日 3〜5限目
  • 教室:フロンティア館 303教室

授業の内容

 本講義は、近年政治学において関心が高まっている「因果推論」を行うための諸手段を理解・習得することを目的とする。最初に、最良の因果推論とも称されるRCT(ランダム化比較試験)を説明し、RCT が不可能な際の手法としてマッチング、回帰不連続デザイン、差分の差などを紹介する。

評価

  • 授業貢献度 30%100%
    • 授業への参加度、質問など
  • 期末レポート 70%
    • 期末レポートの内容は初回の授業で紹介する

履修上の注意

 統計学に関する基礎知識が必要である。目安は母平均の差の検定、および線形回帰分析が理解でき、統計ソフトウェアで実行・解釈が可能なレベルである。

 本講義における共通言語はRである。Rの使い方に関しては既にインターネット上に膨大な情報がある。矢内勇生(高知工科大学)が執筆中の以下の資料を参照することも1つの選択肢である。

 統計学および定量的分析、Rの使い方については以下の書籍を講義開始日までに読んでおくことを強く推奨する。

 R スクリプト作成の際、{tidyverse} というパッケージ群を積極的に活用する。この パッケージには {dplyr}、{ggplot2} などのパッケージが含まれている。各パッケージの 使い方を習得するには以下の教材を推奨する。

教科書・参考書

 以下は本書の内容を(一部)カバーする書籍の目録である。必ずしも購入する必要はないが、予習・復習において適宜参照することを推奨する。

本講義との関係

Intro/RCT Matching Diff-in-Diff RDD IV
AP 2008 Ch.2 Ch.3 Ch.5 Ch.6 Ch.4
AP 2014 Ch.1-2 Ch.5 Ch.4 Ch.3
森田 2014 第16章 第18章 第22章 第20章
星野・田中 2016 第1-8章 第9章 第10章 第11章
中室・津川 2017 第1-3章 第7-8章 第4章 第6章 第5章
伊藤 2017 第1-2章 第5章 第3章
安井 2020 第1章 第2-3章 第4章 第5章
Cunningham 2021 Ch.2-4 Ch.5 Ch.8-10 Ch.6 Ch.7
松林 2021 第1-5章 第8章 第6章 第7章
高橋 2022 第1-3章 第4-12章 第15-18章 第13-14章

講義内容・参考文献

因果推論の考え方

RCT(Lab Session)

履修者全員がRの操作に慣れていると判断した場合、Lab Sessionは省略し、最終日に操作変数法の講義を行う。

マッチングとその応用

差分の差分法

回帰不連続デザイン

操作変数法

 以下の内容はLab Sessionを行わない場合のみ、解説する。